- Texstyle / Dyeing
- 2024年3月15日
Coffee Dyeing飲んだコーヒー豆のカスで『珈琲染め』
毎朝、挽いた豆からコーヒーを落として飲むことを日課にして何十年。飲んだ後のコーヒー豆のカスは家の庭へ除草効果を期待して撒くなどして処分していますが、これで染色をやってみる価値があるような。。
今年はNHKの大河ドラマの影響で日本の伝統的色彩を発色する植物染料をフィーチャーしている場面が多く見受けられますが
、私の染色の取り組みは【身近な素材】としているので日本らしさはありませんが「このカスで染めてみよう!」と思い立ったのです。衣服についてしまったコーヒーのシミがなかなか取れないことなどから「簡単に染まるのでは!」と思うのですが、今回はコーヒー抽出後のカス、出がらしということもありどのくらいの量が必要なのか?わからないまま多めに集めて始めます。
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材料・薬品
- 挽いたコーヒー豆のカスを乾燥させて:500g
染材(50g) の10倍もあるがどのくらい必要なのか? - ミョウバン:3g:漬物用で家にある物をお湯で溶いて使用
- 浸染用錫液、浸染用チタン液:市販媒染剤
- 鉄媒染液、銅媒染液:市販媒染剤
染材(精錬した絹糸)
- 緒糸(キビソ糸):各10g
道具
- ホーロー鍋
- 挽いたコーヒー豆のカスを乾燥させて:500g
コーヒー豆のカスから染液を抽出
コーヒー豆から直接染液を抽出するのではなく、焙煎した豆を挽いてコーヒーを抽出したカスを乾燥させて集めたものから抽出します
- 今回は豆から抽出するのではなく【コーヒーを挽いた豆のカス:500g】で染液を作る
- 【コーヒー豆のカス:500g】【ぬるま湯:3000cc】で、80℃~90℃まで温度を上げて30分沸騰させずに煮出す。表面に泡が浮かんできたが今回はそのままで
染液の抽出方法は簡単に、ここで一旦終了
- 染材をテープを色分けして各媒染剤で《先媒染》
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先媒染(ミョウバン/スズ/チタン)※タマネギと同じ
- 【水:1000cc】を加熱
- 80℃程度になったら【各媒染剤:3cc】を入れ撹拌
- 染材(絹糸)を入れる(事前に染材をぬるま湯で濡らしておく)
- 弱火でゆっくり温度を上げて30分ほど煮沸(沸騰させない)
- 火から降ろして冷却し絞る
- お湯でよく洗って絞る
コーヒーは茶色系だと思うのですが媒染剤による色の違いを確認するため《ミヨウバン先媒染》《スズ先媒染》《チタン先媒染》《銅後媒染》《鉄後媒染》の5つの媒染剤のために染液は同浴で一緒に染めます。《後媒染》グループは30分ほどお湯に浸してから絞っておきます。
- 《先媒染》田中直染料店「草木染薬品」浸染用錫液、浸染用チタン液
- 《後媒染》誠和「草木染薬品」鉄媒染液、銅媒染 ※すでに閉店されてます
- コーヒーのカスはキッチンペーパー(不織布)で漉す。目が詰まって漉しにくい
- 漉すのが難しく、液量が2000ccくらいに減ったので【お湯:1000cc】を加えて【染液:3000cc】に
- 抽出液に染材を入れる。80~90℃で30分浸染。媒染剤による色変化を見るために、テープを色分けして5本を一緒に染める
染液から取り出して水でよく洗って絞る。
コーヒーのカス抽出液での染め作業はここで一旦終了。
《先媒染》グループはここで完了。
- 無媒染で染めた染材を各媒染剤で《後媒染》(参考:銅媒染)
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後媒染(銅/鉄)
- 【水:1000cc】を加熱
- 80℃程度になったら【各媒染剤:3cc】を入れ撹拌
- 染材(絹糸)を入れる
- 弱火でゆっくり温度を上げて30分ほど煮沸(沸騰させない)
- 火から降ろして冷却し絞る
- お湯でよく洗って絞る
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コーヒー豆のカスで『珈琲染め』
かなり多くのカスで抽出したはずですが思ったほど濃くは染まりませんでした。もう少し染め時間を長くすべきだったのか?カスではこの程度しか染まらないのか?機会があればまたチャレンジします
- 《チタン先媒染》明るめな黄土色
- 《ミヨウバン先媒染》ベージュ
- 《スズ先媒染》ミョウバンと同じ色目で明るめ
- 《銅後媒染》ヘーゼルナッツの色に由来する榛色(はしばみいろ)
近くの榛名山の「はる」がハシバミと読むことを初めて知りました - 《鉄後媒染》銅より彩度を低くした赤味のあるグレー
Color Chartカラーチャート
コーヒー豆のカスで『珈琲染め』
コーヒーは茶に染まることを期待していましたがあまり濃く染まらなかったようです。
市販媒染液
- 《チタン先媒染》
- 《ミョウバン先媒染》
- 《スズ先媒染》
- 《銅後媒染》
- 《鉄後媒染》
※このカラーチャートは私chackeeが染材の仕上がりを目視で数値化し、サイト表示したもので、あくまでイメージです。