• Texstyle / Dyeing
  • 2024年2月16日

Rubia Manjith Root Dyeing赤い染め色をもとめて②『インド茜の根染め』

赤く染まる染料材をもとめて調べていくうちに『アカネ』に出会いました。染色に使うアカネはニホンアカネ (Rubia akane) やインドアカネ (Rubia manjith) そして西洋アカネ (Rubia tinctorum)などの品種が利用されています。その中の西洋アカネは「アリザリン」という成分で染まりが良いようです。学生時代に「アリザリンレッド」という化学染料がありましたが、これはアカネ染料を模していたのだと知りました。
今は身近な天然染料を求めているので、まずは『二ホンアカネ』を調べたのですが、現在の自生地を見つけにくくすぐに染料を入手出来そうにもないので、まずは多く出回っている市販の『インド茜の根』で染体験してみることにしました。
『ニホンアカネ』については「種」を入手したので進捗状況を違うレポートにしていく予定です。3年後にレポート書けることを期待してください

  • 材料・薬品

    1. インド茜の根:50g :市販品
      染材の100%で薄い染まりになるのではと心配
    2. ミョウバン:漬物用で家にある物を使用
    3. 浸染用錫液、浸染用チタン液:市販媒染剤
    4. 鉄媒染液、銅媒染液:市販媒染剤
    5. 抽出助剤:米酢

    染材(精錬した絹糸)

    1. 緒糸(キビソ糸):各10g

    道具

    1. ホーロー鍋

インド茜の根から染液を抽出

市販品の染料材なので失敗はないと思いますが、用意した根が染材と同量の100%。いろいろな資料でももう少し多い量で抽出液を作っているので薄い染まりになるのが心配です

  • 【インド茜の根:50g】【ぬるま湯:1500cc】【米酢:10cc】で、80℃~90℃まで温度を上げて30分沸騰させずに煮出す。熱いうちに漉して冷ます。1番液
  • 同じ条件で2番液抽出。1番液より色が出ていなくて薄くて少し心配

染液の抽出方法は簡単に、ここで一旦終了
スオウの時の抽出量の反省から1番液、2番液を合わせて【染液:3000cc】にしました。

  • 染材をテープを色分けして各媒染剤で《先媒染》
  • 先媒染(ミョウバン/スズ/チタン)※タマネギと同じ

    1. 【水:1000cc】を加熱
    2. 80℃程度になったら【各媒染剤:3cc】を入れ撹拌
    3. 染材(絹糸)を入れる(事前に染材をぬるま湯で濡らしておく)
    4. 弱火でゆっくり温度を上げて30分ほど煮沸(沸騰させない)
    5. 火から降ろして冷却し絞る
    6. お湯でよく洗って絞る

インド茜は赤色系ですが媒染剤による色の違いを確認するため《ミヨウバン先媒染》《スズ先媒染》《チタン先媒染》《銅後媒染》《鉄後媒染》の5つの媒染剤のために染液は同浴で一緒に染めます。《後媒染》グループは30分ほどお湯に浸してから絞っておきます。

  • 《先媒染》田中直染料店「草木染薬品」浸染用錫液、浸染用チタン液
  • 《後媒染》誠和「草木染薬品」鉄媒染液、銅媒染 ※すでに閉店されてます
  • アカネの根はキッチンペーパー(不織布)で漉し1番・2番液を合わせる
  • 1、2液を合わせた抽出液
  • 抽出液に染材を入れる。80~90℃で30分浸染。媒染剤による色変化を見るために、テープを色分けして5本を一緒に染める。後媒染用の染材は黄色っぽい


  • 染液から取り出して水でよく洗って絞る。
    アカネの根からの抽出液での染め作業はここで一旦終了。
    《先媒染》グループはここで完了。

  • 無媒染で染めた染材を各媒染剤で《後媒染》(参考:銅媒染)
  • 後媒染(銅/鉄)

    1. 【水:1000cc】を加熱
    2. 80℃程度になったら【各媒染剤:3cc】を入れ撹拌
    3. 染材(絹糸)を入れる
    4. 弱火でゆっくり温度を上げて30分ほど煮沸(沸騰させない)
    5. 火から降ろして冷却し絞る
    6. お湯でよく洗って絞る
  • 赤い染め色の『インド茜の根染め』

    インド茜の根はニホンアカネより染まりやすいという事でしたが

    1. 《チタン先媒染》ミョウバンと同じ色目で黒味がある赤・紅海老茶
    2. 《ミヨウバン先媒染》黄色みのある明るい赤・くすんだ緋色
    3. 《スズ先媒染》ミョウバンと同じ色目で白っぽく
    4. 《銅後媒染》白っぽい茶系(べージュ)
    5. 《鉄後媒染》銅よりさらに彩度を低くしたベージュ

Color Chartカラーチャート

赤い染め色の『インド茜の根染め』

市販の「インド茜の根」は問題ない色の染まりとなりました。
アカネは緋色に近い黄色味の多い赤と感じます。ニホンアカネはこれから育てて染める予定なので3年後のレポートになってしまうかもしれません

市販媒染液

  • 《ミョウバン先媒染》
  • 《スズ先媒染》
  • 《チタン先媒染》
  • 《銅後媒染》
  • 《鉄後媒染》

※このカラーチャートは私chackeeが染材の仕上がりを目視で数値化し、サイト表示したもので、あくまでイメージです。

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