- Texstyle / Dyeing
- 2024年1月29日
Onion-Skin Dyeing定番の「タマネギの皮」で『黄金色染め』
昨年来、お試しの植物染色活動をしていますが、明るめの染色を模索している中で、大学時代の恩師の個展を訪問し色について尋ねた中で『タマネギはやってみたかしら?』とアドバイスをいただきました。染色定番のタマネギは多くのワークショップでもトライされている身近な素材なので「いつでもやれる」と高を括っていたのですが、学生時代の同級生全員作った『染色色見本』にも「タマネギ」はしっかり載っていました。
それに昨年の『ウズベキスタンの旅』で訪問したスザニ刺繍ショップのオーナーの染色の話にも「タマネギ」の話が出てきたくらいタマネギの染色は世界各国で定番の素材のよう。それも思いだし『今やるべきかも!』と感じたのです。
しかし、いざタマネギの皮を集めようとしても自分の消費量だけでは十分な量がなかなか集まらず、昨年末に会った10人ほどの友達に「タマネギの皮集めて欲しい!」とお願いしたところ、あっという間に袋いっぱい集まりました。そこで「ありがとう!」のお礼も含め、急いで試します
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材料・薬品
- タマネギの皮:30(この重さでもかなりの量です)
- ミョウバン:漬物用で家にある物を使用
- 浸染用錫液、浸染用チタン液:市販媒染剤
- 鉄媒染液、銅媒染液:市販媒染剤
染材(精錬した絹糸)
- 緒糸(キビソ糸):各10g
道具
- ホーロー鍋
タマネギの皮から染液を抽出
タマネギの皮の抽出方法はかなり多くの参考がありますが、特にこれといったものはなく自分なりに実施します
- タマネギの皮(これで25g)
- 【タマネギの皮:30g】【水:3000cc】で30分。80℃~90℃まで温度を上げて30分沸騰させずに煮出す。熱いうちに漉して冷ます。1番液だけ
染液の抽出方法は簡単に、ここで一旦終了
- 染材をテープを色分けして各媒染剤で《先媒染》
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先媒染(ミョウバン/スズ/チタン)
- 【水:1000cc】を加熱
- 80℃程度になったら【各媒染剤:3cc】を入れ撹拌
- 染材(絹糸)を入れる
- 弱火でゆっくり温度を上げて30分ほど煮沸(沸騰させない)
- 火から降ろして冷却し絞る
- お湯でよく洗って脱水
タマネギ染めは黄色系の定番とされているので、染まり具合の色を確認するため《ミヨウバン先媒染》《スズ先媒染》《チタン先媒染》《銅後媒染》《鉄後媒染》の5つの媒染剤のために染液は同浴で一緒に染めます。《後媒染》グループは30分ほどお湯に浸してから絞っておきます。
- 《先媒染》田中直染料店「草木染薬品」浸染用錫液、浸染用チタン液
- 《後媒染》誠和「草木染薬品」鉄媒染液、銅媒染 ※すでに閉店されてます
- 抽出液:3000cc:加熱はじめる
- 抽出液に染材を入れる。80~90℃で30分浸染。媒染剤による色変化を見るために、テープを色分けして5本を一緒に染める
染液から取り出して水でよく洗って脱水。タマネギ抽出液での染め作業はここで一旦終了。
《先媒染》グループはここで完了。
- 無媒染で染めた染材を各媒染剤で《後媒染》(参考:銅媒染)
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後媒染(銅/鉄)
- 【水:1000cc】を加熱
- 80℃程度になったら【各媒染剤:3cc】を入れ撹拌
- 染材(絹糸)を入れる
- 弱火でゆっくり温度を上げて30分ほど煮沸(沸騰させない)
- 火から降ろして冷却し絞る
- お湯でよく洗って脱水
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「タマネギの皮」で『黄金色染め』
タマネギの皮は定番といえる素材なので、色の確認のために染液は同浴で、媒染剤も市販のものを使って染めました
- 《ミヨウバン先媒染》ほんの少し黒味のある黄色
- 《スズ先媒染》ミョウバンよりほんの少し明るい黄色
- 《チタン先媒染》かなりオレンジがかった赤味のある黄色
- 《銅後媒染》黄土色、これをゴールドと呼ぶのか?少し赤く黒味のある黄色
- 《鉄後媒染》銅より赤味が少なく、黒味が多い。5円玉の色味に近い。こちらがゴールド?
Color Chartカラーチャート
「タマネギの皮」で『黄金色染め』
黄金色の定義が実際にははっきりしていないので、どの媒染剤をゴールドとするかを最終決定できませんでした。
ただ、植物染色の定番といわれるのがわかるように、染まり具合もよく堅牢度の良さも感じました。
市販媒染液
- 《ミョウバン先媒染》
- 《スズ先媒染》
- 《チタン先媒染》
- 《銅後媒染》
- 《鉄後媒染》
※このカラーチャートは私chackeeが染材の仕上がりを目視で数値化し、サイト表示したもので、あくまでイメージです。