- Bangladesh Texstyle / バングラデシュ
- 2023年2月21日
Nakshi kantha女性たちが支える伝統的な刺しゅう技術『ノクシカタ』③
ノクシカタの3か所目のワークショップをするのはバングラデシュ西部でインド国境に近いラジシャヒ (Rajshahi) からさらに4~50km北西に行ったモバラクプール (Mobarakpur)という村です。現在はラジシャヒにお住まいで、この村の女性たちの手仕事を支援されているご家族のお宅を訪ねました。
家といっても、イスラム教建築の特徴である中庭を配した大きなお宅で、その中庭には私が大好きな熱帯花木であるハナキリンやダリア、アデニウムなどの鉢が所狭しと置かれていました。そして、その中庭に大きな布(一部ノクシカタ)を敷きつめ、周辺の家々から女性たちが集まり、ワークショップ刺繍の準備をしていただいていました。ですが、すでにワークショップ3か所目となった私たちはこの場所で針を手にする方もいなく、デモンストレーションだけ見学させてもらう形になりました。
ここでは村の女性総出で歓迎してくださったような様相で、到着してすぐにお茶会、見学後にはランチまでごちそうになるというおもてなしを受けることとなりました。
ノクシカタの作品
この村の刺繍の特徴は各自が得意なデザイン・縫い方で作品をつくる感じで、クロスステッチをはじめ、パッチワーク風、リボン刺繍などいろいろの手法を使って商品に仕上げているようです。フリーで下絵を専門に描く女性も2~3人いるそうです。文様は花などの曲線で構成されているデザインのものもありましたが、イスラム教のアラベスク文様である幾何学的図形の作品が多くを占めているように思いました。ベットカバーなど大物に仕上げた作品が多く、持ち帰りを考えて入手できなかったのが残念です。
- 周辺に住む女性たちが集まって刺繍をデモンストレーション
- いろいろな手法で刺繍をしている
- クロスステッチの手法をメインとした布
- 刺し子風に縫われた布
- 特徴的なジグザグステッチで刺繍された布
- サテンステッチをメインに使った布
- パッチワーク風な刺繍の布
- 中庭の風景
- 販売用に作られた商品ではなく、女性が刺繍道具にかけて使っていたクロスステッチ風ノクシカタを売ってもらった
- 裏面: 生活で使っていたらしい布に刺繍が施されている。ミシンなどは雑な仕上げになっているが、刺繍はとても細かくできている
自宅でワークショップの続きを完成(予定)
ここではワークショップをしなかったので、デモンストレーションで下絵を描いてくれたものを持ち帰ってきた
- フリーハンドで下絵を専門に書く女性。あっという間にお花の絵を描いた。下絵を描けるのは村に2~3人だけ
- 下絵を描いた布に何人かで途中まで刺繍をしてくれた
村の様子
- 村の風景
- イスラム教徒の村のウシは売られて行く
- ウシの糞を串にさして乾季に天日で乾燥させて、雨季に燃料として使われる
- マンゴーの果樹園。バングラデシュのマンゴー生産者には独特な相場サイクルがあるらしい
- 「おやつ」としていただいた現地のお菓子類
- パパド (Papad) のような豆の揚げ菓子。手前の黒い豆を粉にして作るとのこと
- ランチもごちそうになった。チキンカレーや玉子。盛り方が下手ですみません
- マンゴーなど、いろいろなチャツネ