- Bangladesh Texstyle / バングラデシュ
- 2023年2月21日
Rajshahiインド国境近くの都市『ラジシャヒ』
ラジシャヒ (Rajshahi) は、国の西端でガンジス川 (the Ganges) の下流であるパドマ川 (Padma River) をはさんでインドとの国境に位置する国内で人口数が第4位の都市です。バングラデシュは乾季ということもあり、ダッカからこの周辺まで来る道中の木々は土ボコリが積もって、全体的に泥や土、そしてゴミであふれる街並みはグレイでかなり重い感じの印象でした。
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しかしこの街に来て、宿泊したホテルの手入れされた庭の花壇をはじめ、インドに近いこの街は少し高めの施設などはインド・イスラム建築で使われるような赤い壁面の建物だったり、女性たちもみな鮮やかな布を『ヒジャブ』風に頭からまとい『ニカブ』風に顔を覆っていても、真っ黒ではなく小花をあしらった布をかぶっていて、色が街全体に散らばっていました。ムガル帝国からイギリス領時代、その後の変遷の影響もあるのでしょうが、ヒンドゥー教とイスラム教の共存・融合する『ベンガル地域』を実感し、貧困といわれる国の中でも比較的過ごしやすい田舎で華やかさのある街だと感じました。
カイコ生態展示とシルク工房の見学
ラジシャヒ (Rajshahi) にあるシルク工房を併設しているかなり大きなシルクショップへ。ここではカイコの生態展示や糸紡ぎの実演、そして織物工場などを見学してからショップへ。みなさん、手頃な価格でお買い物をされていました。
ショップ脇のシルク工房でカイコの生態展示をしていました。そこはカイコだけでなく、カイコ蛾まで展示していることに少し驚きです。春になると我が家の近くの富岡製糸場の中でも生態展示を行なっていますが、カイコと繭をつくる部分だけです。日本では養蚕を5月ころから秋までに年4回ほど行なうようですが、低温期のない温暖なこの地は年間通してずっと養蚕ができるのでしょうか?
展示している繭は『ぐんま黄金』とは全くレベルが違う山吹色の繭です。そして、繰糸をした糸も鮮やかな色を残していました。以前「繭(まゆ)から黄金のシルク糸を繰ってみた」でぐんま黄金の『煮繭(しゃけん)』をするレポートを書きましたが、セリシンに含まれる色が抜けて白い糸になるという感じでした。しかし、ここの繭は『操糸(そうし)』した後もかなりの色を残していて「染色した繭?」と思う程でした。
- 施設脇にある1~2反ほどの桑畑。カイコの生態展示用と思われる
- 種紙とカイコ蛾。山吹色は繭
- カイコ
- カイコ
- 蔟(まぶし)と思われる渦巻き状の道具
- 繰糸機
- 巻き上げ機
- 山吹色の糸のカセ
- 真綿から手繰りを実演
- 整経機
- 織機
- 杼(シャトル)
- 織機のおじさんが私たちが『日本人』というのを知って「これは日本製なんだ」と教えてくれた「TUDAKOMA(津田駒)」織機
- 綜絖通しと筬通しを2人で一緒にやっている
- シルクの布に「ろうけつ染め」の蝋附せを下絵なし、フリーハンドで描いている
- シルクのストールのフリンジを手作業で加工している