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  • 2022年6月19日

Grow Japanese Wild Silk Moths 天蚕の飼育と糸づくり「登坂工房」

登坂工房さんは県内で唯一の天蚕(てんさん)農家です。
古くから国内で飼育しているカイコ(家蚕)はクワの葉を食べ成長しますが、天蚕は日本在来の野蚕で、幼虫はクヌギの若葉を食べ山野で生息し、約45日で淡い緑色の糸を吐き美しい繭をつくるカイコです。
その繭から紡いだ「天蚕糸」は淡い緑色を残し、希少性が高いことから『繊維のダイヤモンド』と呼ばれているようです。


国内では長野県の安曇野で長く研究・飼育されています。登坂工房さんは以前は家蚕の養蚕農家でしたが、中国産の安い絹に押され国内の養蚕業の先行き不安から他との差別化を図るため、平成元年から天蚕飼育に取り組んだそうで、現在は国内最大規模の飼育場になったようです。

こちらではクヌギを植えた農場を見学、すでに卵から幼虫になっている状態の見学。

  • 120~30cmくらいの高さに切り揃えたクヌギの木をブルーのネットで覆い、ハウス状にしてその中で幼虫を育てている
  • 目線の高さのクヌギの新芽
  • クヌギの木に天蚕の卵のついたテープを設置
  • 孵化したてのカイコは家蚕と同じように毛が多い(蟻蚕 /ぎさん)
  • 成長が始まると毛が少なくなってくる
  • 大きくなってきて、鮮やかな緑色

繭をつくるまであと数週間とのことで、天蚕繭をみることが出来なかったのが残念です。

農場になっている飼育ハウスの長さは約93mで、それが10か所以上に広がっています。
カイコが大きくなってくると山ザルが頻繁にあらわれて捕食するのだそうです。電気柵による防御も試みましたが設置場所を覚えられて効果がなくなってしまうようで、現在はこのネットでガードしているのだそうです。付近に番犬が2頭活躍していましたが、サルは頭が良くネットのちょっとした隙間からでも入り込むとのことで、攻防は毎年、今も続いているとのことです。

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