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  • 2022年6月22日

Takayamasha Sericulture School近代養蚕法「清温育」発祥の地『高山社跡』

「富岡製糸場と絹産業遺産群」として2014年にユネスコの世界文化遺産に、その絹産業遺産群のひとつとして「高山社跡」も登録されました
高山社跡は「養蚕改良高山社」の養蚕法「清温育」の研究を行った創始者・高山長五郎の生家です。蚕室の温度と換気をしっかり管理することにより、良質の繭を安定供給をすることが可能にしました。そして、全国から養蚕の指導者育成のために生徒を集め教育機関を開いたようです。
現在は母屋に蚕室(養蚕用家屋)と付属屋が残っていますが、周囲にも蚕室の痕跡が認められたため、残っている建物だけでなく敷地全体が世界遺産構成資産、そして国指定史跡となりました


今回、はじめての訪問だったのですが「もう少し前に一度は来ておけばよかった」と後悔しました。
情報館から少し歩くと道よりかなり高く作られた敷地にとても大きく立派な長屋門が現れます。しかし、その奥の母屋兼蚕室が今年から7年計画で保存修復工事が始まっていました。
建物全体を覆うように足場が組まれ全体がシートで覆われていて、ヘルメットを支給していただき内部の見学です。入ることのできた1階の家屋内はすでに番号をふられた柱だけになっていました。ここには数年前まで住人の方がすんでいたらしく、まだ残っている玄関の装飾は昭和感のあるものでした。
1階部分の天井(2階の床下)を見上げると2階の床板は火鉢を置くために掘り下げられているのが確認できました。それと、室内の空気が循環するように床板が外れるような構造です。これは赤岩地区で見学させていただいた養蚕農家と同じ形のようでした。
屋根の瓦は全て外されていたので、高山社をはじめとする多くの養蚕家屋の特徴である屋根の換気のために建てられた高窓部分(ヤグラ)を見ることができず、残念でした。ですから今回は母屋の写真はありません。修復後にまた見学して写真を撮りましょう。

  • 高山長五郎翁像(現地でいただいたパンフに誤字発見。翁(おきな)が扇(おおぎ)になってます)
  • 情報館で開催中のイベント「猫が神様になっちゃった展」ちらし
  • クワの貯蔵庫跡
  • 建物修復の間、待機中の瓦

桑(クワ)の葉

敷地内で一番気になったのはクワの葉の形です。高山社跡の敷地内のクワの葉はハート型でした。最近は近くで周囲にクワを育てている田畑はありませんが、私が入手できる範囲で見かけることができるクワの葉はギザギザしているものばかりです。
調べたところ「古木になるとハート型の葉になる」という話と、以前繭の仕事をやっていた年配の知り合いによると「クワには色々な種類があって、お蚕さんがよく食べるのと食べないのがある」と言ってました。おもしろい話なので、時間ができたら少し調べてみようと思います。

  • 敷地内のハート型クワの葉
  • 家の周囲で見かけるギザギザのクワの葉

ツアーから戻ってすでに数か月経ってしまいましたが、やっとレポートも一段落できました。
この数日間のツアーに参加して、県内のまだ行ったことなかった場所の見学や訪問はかなり楽しいものでした。東京から参加の方々はもう少し県内施設の訪問や体験を残していましたが、私はここで離団したのでレポートも終了いたします。また次の旅行を期待して帰路につきました。お疲れさまでした。

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