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- 2022年7月30日
Architecture of Tomioka City 【特別レポート】富岡市の建物
今回のツアーで富岡市内は製糸場以外の特別な見学時間があったわけではありませんが、せっかくなので私から少しだけレポートしてみます。
群馬といえば草津や伊香保をはじめとする温泉地や水上や谷川などの自然や登山との出会い、冬には北部山岳地域へのスキーやスケボーなどといった所が観光の目的地となっていて、富岡は通過する場所という感じでした。
2014年に富岡製糸場が世界文化遺産に登録されて、急に市のイメージが観光客がくる場所へと変化したのです。それまで空き家の多くなっていた通りにも他の観光地域の業者さんたちがやってきて新しく店舗展開などを始めました。しかし、コロナ禍で売上げが伸びないとわかるとあっという間に退散してしまい、また静かな商店街・シャッター街へと戻りつつある昨今です。
約10年前ころから市内の主要施設に手が入るようになりました。
古く汚くなっていた施設が新しくなって「よかった」という気持ちもありますが、地方都市の急激な変化には少し違和感もあります
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上信電鉄 上州富岡駅 駅舎
2011年に上州富岡駅舎設計コンペを実施し、最優秀案の武井誠+鍋島千恵/TNA(ティー・エヌ・エー)が設計。その後建築されて、2014年に開業した。富岡製糸場の「木骨レンガ造り」のイメージを踏襲しながら耐震・強度などの面から「鉄骨レンガ造り」となっているようです。レンガの積み方は製糸場をオマージュし「フランス積み」を採用しているそうです。
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富岡市役所
2018年春、新庁舎がオープンしました。新築構想は2010年ころから始まったようですが、途中の市長交代などによる建築見直しなどもあったようです。設計は隈研吾建築都市設計事務所。
2階建てと思っていたけど、3層吹き抜けのエントランスがあるようです。そこの部分の壁面には製糸産業で栄えた富岡らしい素材として「キビソ」を使っているそうです(建築説明会で聞きました)。
「キビソ」はカイコが繭をつくるために最初に吐き出す糸(繭の外側部分)のことで、ごわごわと硬くクオリティが安定していないため生糸をひく際に取り除かれる部分です。通常は製糸の段階で多くが処分されていましたが、吹付け材にキビソを混ぜ込むことで、風合いや強度を出す素材として使ったようです。
富岡商工会議所
現在、黒いローソンが建った「諏訪神社」境内前に富岡商工会議所は建っていましたが、交差点の拡幅工事に伴って旧吉野呉服店の敷地跡へ移動し新築されました。設計は手塚建築研究所。市庁舎とほぼ一緒の2018年にオープン。木造建築です。
- 細長い敷地でのこぎり屋根風の屋根だが西面が格子状のガラス窓になっている
- ガラス面に格子状のマブシを連想させる木枠スクリーン(建築中に見学撮影)
黒と茶のコンビニ
ここ数年で市内の中心地に数件のコンビニが新しくオープンしました。
その中でも製糸場の北側の旧254号線沿いの景観保存地区にある2件のコンビニは、色が。。
●茶色いセブンイレブン
ロゴ全部が茶色の単色と思っていましたが、帯の部分の3本は少しだけ色が違っていて通常の3色の帯の構成イメージも残しているようです
●黒いローソン
単色ブルーが全て単色の黒のロゴになっています