• Japan Okinawa Texstyle / 日本
  • 2022年10月24日

Ryukyu Bingata沖縄唯一の伝統染物『琉球びんがた』

染織には「糸の段階で染色し、織りあげて仕上げる《先染め》」と「布になった反物に染色を施す《後染め》」という2つの技法があります。
沖縄に残っている伝統技術の染織のほとんどは絹、綿、芭蕉や苧麻などの糸を染めてから織り布にする「先染め」ですが、紅型(びんがた)はすでに反物になった布に型染めや糊引き(筒描き)などで図案を染める「後染め」の技術ということになります。


「琉球びんがた」について

「琉球びんがた」は15世紀ごろ、交易により中国やインドの更紗などの影響を受けて始まったといわれる伝統染物で、手法は大きく型染めと糊引き(筒描き)とに分かれるようです。綿布、絹布、芭蕉布等に顔料と植物性染料を手染めする色鮮やかな【紅型】と琉球藍(あい)の浸染による【藍型】があるそうです。

  1. 紅型(ビンガタ)
    「琉球びんがた」の《ビン》は「色彩」、《ガタ》は「模様」と解釈されることが多いようで、さらに手法によって白地紅型(シルジビンガタ)、染地紅型(スミジビンガタ)、返し型(ケーシガタ)、朧型(ウブルガタ・おぼろがた)などに分類されます。これらは型附(カタチキ)と呼ばれる糊置防染手法による型染めで、型紙を当てて生地に糊を塗り、そのあとで取り去った型紙の模様の部分に色を差す染め方で、さらに布地全体に地染めが施されるものもあります。
    ※防染糊=糯米(もちごめ)と糠(ぬか)、石灰を混ぜた物。少しだけ顔料で色付けしている
  2. 藍型(イェーガタ)
    藍の濃淡や墨で染められた紅型を藍型(イェーガタ)と呼びます。型紙は染地(線彫り)型を使い、濃藍から各種の藍の変化と地の白とで、大きめの模様で表現します。種類は、白地藍型(シルジイェーガタ)、黒花出し、白花出し、浅地花取り、藍朧(イェーウブルー)などがあります。
  3. 筒描き
    糊引(ヌイビチ)と呼ばれます。型紙を使わず防染糊を入れた円錐状の糊袋の先から糊を絞り出しながらフリーハンドで生地に模様を描き、そのあとで模様の部分に色を差す方法です。

「琉球びんがた」の型彫りには突彫りの技法が用いられ、型紙には「白地型(シルジガタ)」と「染地型(スミジガタ)」の2種類があります。「白地型」は地を彫り落とし模様を残す方法で、「染地型」は逆に地を残し模様の部分を彫っていく方法で細かい模様の部分から彫り始め、彫り上がった型紙は紗張りをします。

  • 工房を見学
  • 「白地型」と「染地型」で糊を置いた見本を見せていただく

「琉球びんがた」の体験

「那覇市伝統工芸館」で琉球紅型を体験しました。着彩だけの短い時間での体験だったので、途中の写真を撮ってなかったです。後半は自宅での作業

  • コースターサイズのお気に入りデザイン2案を選び、『型附』型で糊置きした布をもらう。上は仕上がりサンプル
  • 糊の無い白い部分に一色ずつ筆で『摺り込み』着彩。乾かないと境目が滲む
  • 『隈取り』の色差し作業をして持ち帰った(3日以上置く)。ここからは自宅で作業
  • 『蒸し』色を定着させるため、裏返してドライアイロンをかける
  • 『水洗い』柄を下にして洗面器にお湯をためて3~4時間つける。その後、お湯を変えながら糊を落とす
  • 糊を完全に落として乾いたら完成。
    ブーゲンビレアと蝶・ハイビスカスとモンステラ、かわいいデザインのコースターができました
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