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  • 2022年10月25日

Kijoka no Bashofu国の重要無形文化財指定『喜如嘉の“芭蕉布”』

芭蕉布は沖縄県北部の大宜味村(おおぎみそん)喜如嘉(きじょか)の手作業で作られる織物です。バナナ(実芭蕉)の仲間である糸芭蕉の原皮から繊維をとり織り上げます。風通しがよくさらりとした風合いで肌にべとつかない生地は湿度の高い南国の沖縄で珍重されたようです。


良質な繊維を採るために年数回の葉や芯の剪定を繰り返しながら3年かけて糸芭蕉を栽培し、そこから一反を織り上げるのには約200本分の芭蕉の繊維を作り出す手作業が必要で、3ヵ月から半年かけて反物にするそうです。

糸芭蕉の畑で『苧倒し』『苧剥ぎ』を見学

芭蕉会館近くの糸芭蕉の畑で『苧倒し(うーとーし)』『苧剥ぎ(うーはぎ)』などの作業を見学させていただく

  • 会館で管理している糸芭蕉の畑
  • 3年物の糸芭蕉『苧倒し(うーとーし)』
  • 根の切り口に小刀で切り込みを入れ『口割(くちわい)』。表から順に皮をはぐ
  • 剥いだ皮を大きく分ける。今回は3種
  • はいだ皮1枚づつ先端を足で押さえて外内2枚に剥ぐ『苧剥ぎ(うーはぎ)』
  • 外から外皮(ウァーハー)、中皮(ナハウー)、内皮(ナハグー)、キヤギの4種に分ける。今回倒した1本は3種

芭蕉会館2階で『苧炊き(うーだき)』『苧引き(うーびき)』『藍染の瓶』などの作業工程を説明していただいた。

糸作り「苧績み(うーうみ)」を体験

チングを水に浸し、軽く絞る。片手に小刀(体験はハサミ)を持ち、用途に応じて太さを決め、繊維を裂き機結びをします。制作工程の中で最も経験のいる作業だそうです。

  • チング巻きを水につける
  • 水につけたチング巻きと糸を巻くカード、ハサミとゴミ入れを用意していただく
  • 糸作り「苧績み(うーうみ)」を体験した糸
  • かなりの量糸にできた
  • 「染織の美」第18号 【特集:沖縄の織物】1982/京都書院
  • 『芭蕉布』について

    明治になって本土から安価な糸や洋服類が大量に流入すると、丹念に人々の手で生み出された美しい織物は需要を失い衰退。沖縄の他の織物は輸出に販路を求めて本土向けの和装用のものを作ることで生き延びたが、強い地域性をもち県外であまりなじみのない芭蕉布の需要は激減し、芭蕉を栽培し布を織る人々は次々と姿を消した。
    そこで当時、喜如嘉の芭蕉布を守ろうと力を尽くしたのが平良真次さんご一家で、戦後に芭蕉畑を蘇らせ部落の中心となって芭蕉布を守り伝えたのがその娘の平良敏子さんなのだそうです。2000年、重要無形文化財「芭蕉布」保持者(人間国宝)に認定。残念ながらひと月前の2022年9月に死去されたとのことで、お会いすることがかないませんでした。本棚の奥から蔵書を持ち出して。。。

  • 「日本発見」第19号 【染めと織り】昭和56年(1981)/暁教育図書
    平良さんの織っている家屋の部分が気になります。
  • 「別冊ぶるる愛蔵版」第20号 【染めと織りの旅】昭和59年(1984)/日本交通公社

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