- Japan Okinawa Texstyle / 日本
- 2022年10月25日
Ryukyu Ai沖縄独自の天然植物染料『琉球藍』
本部町(もとぶちょう)は本島名護市から北西に少し出っ張った半島です。この周辺は「沖縄美ら海水族館」が出来てから交通の流れがすごく変化したそうで、渋滞回避バイパスのトンネル道路などが新設されたようです。私たちはそこへは向かわず、半島の真ん中あたりの本部町伊豆味にある「琉球藍染工房“藍風”」を訪問し、琉球藍についての説明と染色体験をしました。
染色について少しは知識を持っていると思っていましたが、藍の葉の種類はいくつかあるのをここで初めて知りました。私の知っている本土で使われる「蓼(タデ)藍」は藍の葉を乾燥・発酵させた『すくも』を使うのですが、この琉球藍は泥状にする『泥藍』という物を使うのだそうです。
「琉球藍」は「タデ藍」とは葉っぱの形は似ていますが、異なる種類でキツネゴマ科、タデ藍は一年草ですが琉球藍は多年草ということで、冬も枯れない低木のような感じなのでしょうか?ちょうど旅行中にキツネゴマ科のコエビソウを見つけました。この仲間ということなのですね。
琉球藍は昔、この場所伊豆味の山の中で自生しているものを子供たちが服にこすりつけたりして遊びに使っていたのが始まりと言われていて、1m20cmくらいの高さに成長するようで、同じ株から2~3年は葉を収穫できるのだそうです。
- 工房の玄関のシーサー
- 今回みつけたキツネゴマ科の「コエビソウ」確かに葉っぱはタデ藍にも似ている。でも、開花した藍は見ていないので、花の形は全く違うとおもいます。悪しからず。。
「琉球藍」と「タデ藍」の私が感じた違い
前回の「上州テキスタイル」の桐生でタデ藍の甕を見せてもらいました。
学生時代、学校にはドラム缶を利用した藍甕がありました。「タデ藍」の甕です。決められた担当が毎日液を撹拌して管理するのですが、ウールの染織を主に制作していた私は、藍から逃げていました。藍染めは日光や摩擦堅牢度が低いことと、アルカリ性が強くウールの表面が少し毛羽立つ感じがするからです。
- 急いで染体験した絞り染めの布
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琉球藍 タデ藍 匂い 少ない 強い 藍液の色 青みがつよい 黄色っぽい(黄土色) 手触り ドロッとしている サラサラしている 上げた瞬間 すでに水色(青い) 黄色っぽいが、空気にふれると見る見るうちに青くなる
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琉球藍の泥藍(藍玉)づくり
- 梅雨の頃(または秋も)葉と茎を収穫する
- 数日、水につける(気温や水温により浸水時間は異なる)
- 葉と茎をとりのぞく
- 石灰を入れて撹はんする
- 上ずみをとりのぞく、下に藍がたまる
- 泥藍の水分をとりのぞく
- 泥藍のできあがり
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琉球藍(藍染液)のつくり方と染色
- 泥藍と灰汁汁(木を燃やして出る灰)をかめに入れよくまぜる
- 必要に応じて酒(泡盛)と糖分などを加え1週間~10日間程毎日かきませ染液が完成する
- ①染めたい布など(天然素材のもの)を染液に3分~5分ほど浸します
- ②空気酸化(または水中酸化)でしばらく時間をおく
- ①と②を数回くり返し、好みの色に仕上げる