• Bangladesh Texstyle / バングラデシュ
  • 2023年2月23日

Jacquard手織り『ジャガード』の村

最終訪問エリアになったのはタンガイル (Tangail) 郊外のノルシュダ (Nolshodha) 村です。タンガイルは手織機産業のいろいろな職種に従事する人が多い街のようです。ただここでも伝統的な技術に携わる人が急激に減少しているそうです。そのノルシュダ村にあるUBINIG施設を中心にして、まずは周辺の散策です。施設近くのジャガード織りで賞を獲ったカールティックさんの工房を訪問。こちらはジャガード織りをデザインし、その柄や模様のカードをパンチング作成しています。


ジャカード織とは

ジャカード織機の仕組みは1801年、フランスの発明家ジョゼフ・マリー・ジャカード(Joseph Marie Jacquard)によって発明されたと言われています。厚紙の板にデザインの柄をフォーマット化してパンチングで穴の空け、そのカードを織機の上部で循環させ、穴の有無によって金属の針(ここの手織りでは紐)を通して経糸を1本ずつ個別に上下させる制御をします。そして上下の経糸の間に杼(シャトル)で緯糸を通すことで布に柄を織りあげていくという方法です。パンチカードを変えることで多くの柄や模様を織ることができます。日本では西陣織りは明治の初期からジャガード織りを導入しています。
沖縄で見た花織などは柄をつくる経糸の上げ下げを『綜絖枠の枚数と踏木の結び方で制御』していますが、ジャカード織機は『パンチカードで制御』しているということになります。

ジャカード織機はパンチカードを用いて「穴の有、無」で柄の作成を行ないます。この方式は、カードを入れ替えることで布の模様である織機の操作パターン変更を「0,1」だけで簡単に制御する考え方です。このパンチカードシステム(ユニットレコード装置)の発想はその後の計算機などに応用されることになり、コンピュータの歴史の上でも重要な発明へとつながっています。

  • カードに穴をあける工房
  • 模様シートを見ながらパンチング
  • 出来上がったパンチカードは一括り分が一つの模様になるようだ
  • 自転車やバイクで織工房へカードを納品
  • 手織り工房。上部から下がった綜絖の役割の無数の紐。この紐で経糸の上げ下げを制御
  • 手織り機の上部に設置されている穴の空いたカード
  • 手織り機の踏木は3本。右の2本は地の平織部分の経糸の上げ下げ。左の1本でカードを送る制御をしているのではないかと思う(未確認)
  • 紐を引く飛び杼タイプの手織り機

Area mapエリア マップ

PAGE TOP