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  • 2022年6月20日

Usui Silk Mill Manufacturing今も操業を続けている「碓氷(うすい)製糸」

安中市にある今も操業を続けている「碓氷製糸株式会社」へ向かいました。
ここは昭和34年(1958)に碓氷製糸農業協同組合として設立、以来60年近く組合で製糸場を続けてきましたが、2017年に会社組織に変更したようです。
今でも国内で操業している製糸場はこの碓氷製糸と山形の松岡製糸の2つだけだそうです。現在は、全国で生産される国内の繭の6割がここに運ばれて生糸に加工され、出荷・販売しているようです。

この組合設立が昭和34年という年が気になりました。前の記事「赤岩地区養蚕農家群」の中で『稚蚕飼育所』が建てられたのが昭和37年とのこと、昭和30年代半ばというのはまだまだ養蚕業は拡張、投資されていた産業だったというのがわかりました。


この日、6月にしてはとても暑い日の始まりでした。 6月だというのに気温は37~8℃、見学の入構前のコロナ対策の検温で同行のほとんどの人が37℃超えを記録する事態となったらしい(私はトイレ不在中の出来事)です。
旅行の次の週は群馬で40℃超えの国内最高気温を更新したので、まだこの気温はマシだったということでしょうか?
とはいえ、そんな状態でしたがコロナ感染による高熱ではないので、みなさん無事に見学をスタートできました。

実は私、この工場見学は2回目なのです。昨年まで受講していた「富岡学」の視察研修で2021年4月に見学をしていました。
ただその時の春の始まりの4月は繭が工場にほとんどない時期で、コロナ禍だったこともあり『次の日から休業にする』という状態での工場見学でした。「繭のある時期に稼働している工場を見学したい」と思っていたけれど、一人での見学は受け付けていないとのことで今回のツアースケジュールにここの見学が含まれていたことがこのツアー申し込みの後押しになったのは確かです。
前の週の6月14日の地方紙に富岡の養蚕組合も「春蚕の荷受け」をしたという情報もあり「今回は繭がたくさんあるかも」と期待大での見学となりました。

  • 繭の荷受け
  • 広い倉庫ほとんどがまだ空間で昔の繭袋が飾られている
  • 乾繭(かんけん)機から出てくる乾燥した繭。カラカラと乾燥した音が響く
  • 高温のボイラーで煮繭(しゃけん)
  • 実子箒(みごぼうき)付きの糸口を取り出す部分
  • キビソ部分を巻き取る。今は生糸より人気があるらしい
  • 富岡製糸場の片倉期最後に動いていたものと同じ繰糸機
  • 動いている繰糸機だが、かかっている絹糸が全く見えない
  • 揚げ返し(2021年撮影)
  • 綛(カセ)・仕上げ(2021年撮影)

外気も暑く、さらに繭を煮る製糸独特に匂いと蒸気と湿気の中での見学は少し大変でしたが、毎日この中でお仕事をされている方の苦労もとてもわかりました。富岡製糸場が動いていた時もこの匂いの中、工女さんたちは糸を紡ぎ続けていたのだと実感しました。

期待していた繭量の件ですが、前回動いていなかった乾燥場が動いているところを見ることが出来て良かったですが、今回は製糸後半の揚げ返しから仕上げの工程の部分が動いていなかったのが残念でした。次回は「一連の流れ全体が動いている時に見学出来たら良いなぁ」と思い再度見学の機会を探そうと思っています。

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