- Uzbekistan Texstyle /ウズベキスタン
- 2023年10月9日
Suzani母から娘・孫へと伝える手仕事『スザニ』刺繍 ①
今回の旅行本来の目的である『スザニ』刺繍が施されている布の入手とワークショップのために施設を訪ねます。
サマルカンドの街中の「Handicraft center」内にあるスザニショップへ。私たちはスザニ店だけの訪問ですが他には各地域の手仕事である陶芸の販売やアートギャラリーなどのショップが集まっています。
「スザニ」刺繍について
スザニ (Suzani) とは、中央アジアの国々で製作されている刺繍の1種。もともとはペルシア語で縫い針を意味するスーザン (Suzan) を由来としているそうです。モチーフとなる題材は一般的なもので太陽、月、花 (チューリップやカーネーション)、葉とつるをあしらい、ザクロなどの果物、そして身近なトウガラシなどもレイアウトに使い、今は魚や鳥なども使われているようです。
このサマルカンドにあるショップのオールドスザニはゾロアスター教の影響で、光の象徴としての「火」を尊ぶということを原型として『太陽』を中心とした宇宙の広がりをレイアウトの基本としているものが多い感じです。そしてステッチも現代の物はチェーン・ステッチで構成されていますが、オールドスザニは一定の方向に面を埋めるサテンステッチに近い日本での『本返し縫い (backstitch)』のような刺し方をされていました。
スザニショップ店内
- たくさんの刺繍が施された布が飾られています
- カラフルで大型のスザニも
- 400年近く前のオールドスザニ
- こちらもオールドスザニ
- オールドスザニ
- こちらは奥様が刺繍された最近のスザニ
- 古くからの刺繍針による作業スタイル
- 数十年前から始まったレース針による作業スタイル(カザフ スタイル:カザフスタンなどでよく見られる方法とのことで、私が勝手に命名)
自宅でワークショップの続きを完成
現地でワークショップ用に下絵の布と針を用意してくれたので少しだけ刺繍しましたが、途中であきらめ糸と布をいただいて持って帰ってきました。
バングラディシュ旅行でも持ち帰った「ノクシカタのワークショップ」の続きを刺したので、今回もこの旅行記を書きながら残りを進めましたがかなり苦戦。今回の糸もシルクですが、3本撚りの2本を使って進めるとのお話。縫い進めると糸の撚りが無くなるし、絡まるしでかなり時間がかかりました。やっと一通り縫い終わり、ここでお見せしようとサイトアップの準備をしていたら、ショップの奥様のサンプルを発見。全然選んだ色あいが違いました。私の刺したのはスザニからほど遠いです。もう一枚下絵があるので、次回は似た感じに仕上げようと思います。。。ということで、2枚目はサンプルの色を見ながら刺してみました。1枚目よりはスザニっぽい仕上がりになったのでここで終了 (12/22)。年内に完成してヨカッタ!ののじ部分はガタガタですが、チェーンステッチもかなり上手くなったと思います。
- いただいた下絵を描いた布
- こんな感じで刺繍する
- ワークショップ途中でいただいてきた糸と下絵
- 私がフリーな色合いで刺してみた1枚目。まったくスザニっぽくない仕上がり
- 途中までショップの奥様が刺していたサンプル写真が見つかった
- 2枚目は奥様のサンプルを見ながら1枚目とは違う色合いで刺してみる
- 2枚目もやっと完成 (12/22)
- いただいた糸でのチェーンステッチはかなり大変だった
ショップオーナーのお母さまを訪問
ショップでのワークショップも終わり買い物をしている時にショップオーナーのお母さまがスザニ刺繍で大賞を取るほどの作家ということがわかり、次の日にお宅を訪問させていただくことになりました。サマルカンドの郊外へと約1時間、少し高台の村を訪問です。
- お宅の中庭に飾られていた大型のスザニ
- 花嫁が嫁ぐ時に親戚の女性たちが母親の作ったスザニを頭の上から覆い隠して嫁入りする風習があるそうで、その後ここの壁掛けとなっているとのこと
- ひざに布を乗せて簡単に作業を開始
- 見とれるほどの素早い運針技術
- 孫娘たちはおばあちゃんと遊びながら刺繍の技術を身に着けている
- とても美味しいナンでおもてなしを受けました
- こちらで入手したスザニの布
- 拡大すると目が一定方向に埋めてあるのがよくわかる