- Uzbekistan Texstyle /ウズベキスタン
- 2023年10月16日
Architecture魅力的な美の空間『イスラム建築』
この旅行は『染織』や『刺繍』を見て体験する目的で出かけましたが、やはりウズベキスタンの都市に今も残る魅力的なイスラム建築のモスクやアーチ、霊廟などを見ると「もう少し建築の基礎を身に付けよう」という気持ちになりました。
これまでの旅行でもいくつか『イスラム建築』に出会っていますが、いくつかの宗教建築の中のひとつという程度にとらえていたのですが、ウズベキスタンのその建築内に立ち入ると大きさと緻密な壁面装飾などに圧倒されました。
霊廟 (Mausoleum)
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廟とは君主やその家族の墓でいくつかのタイプがあるそうです。
その中で、現存する最古のものとして登場するブハラのイスマイール・サマーニ廟。色のない焼成レンガによるシンプルな建造物ですが、その凹凸の陰影による装飾モチーフに魅力を感じました。ウズベキスタンの歴史的建造物は青いタイルやモザイクに囲まれているものばかりと思っていただけに、この出会いは少しだけ衝撃的でした。
- グル・エミール廟
- シャヒ・ズィンダ廟群
ムカルナス (Muqarnas)
今回、はじめて耳にするイスラム建築の用語でしたが、あまりにも気になったのでこの建築ページを作ることにしました。
『ムカルナス』とは「壁龕のような凹状の曲面を鍾乳石状に何層も積み重ねてドームや曲面天井(ヴォールト)の表面を覆う装飾的な立体構造」とのこと。でも『壁龕(へきがん)』という耳慣れず読めない漢字に遭遇。さらにその「読み」を調べると『ニッチ(niche)』という最近よく使われる言葉にたどりつくことになったのですが、そこは今はふれずにおきます。簡単にいうと「古典的建築意匠の一種で壁や岩などの凹んでいる面をさらに何層もの凹みの重なりで装飾している構造」ということでしょうか。今回、ムカルナスが設置されているかなりの数の建造物に遭遇しましたが、どれも複雑で魅力的な構造で外観の壁面を飾るタイルやモザイクとは違って見ていると引き込まれそうな装飾部です。
- ティムール廟内のムカルナス
- シャヒ・ズィンダ廟群内のムカルナス
- ボロ ハウズ モスクの柱のムカルナスの装飾
- アルク城のモスクの柱のムカルナスの装飾
- 「文化の交差路 青の都『サマルカンド』」グル・エミール廟
- 「文化の交差路 青の都『サマルカンド』」シャヒ・ズィンダ廟群
- 「中央アジアの中心・オアシスの都『ブハラ』」ボロ ハウズ モスク
- 「中央アジアの中心・オアシスの都『ブハラ』」アルク城
二重殻ドーム (Dome)
遠くからドームのある建物を見るとその大きさや高さに驚かされます。外側のドーム構造はより印象的にも高く見えるように尖らせた球根型にしていたりするようですが、内側には構造上にムリがなく見栄えをよくするために丸天井のドームを作っているらしく、大きなドームは二重構造になっているそうです。モスクや廟に足を踏み入れ上の方を見上げると球状にデザインされた内部ドームの素晴らしさに魅了されました。
- ビビハニム・モスクのドーム天井
- ティムール廟のドーム天井
- レギスタンのティラカリ・メドレセ内の黄金の礼拝堂の天井部
- シャヒ・ズィンダ廟群のシャーディ・ムルク・アガ廟の天井
- シャヒ・ズィンダ廟群のシリンベク・アカ廟の内部の天井
- シャヒ・ズィンダ廟群の内部の天井
イスラム建築について少しだけふれてみましたが、奥深すぎてまとめるのもまだまだかなり時間がかかりそうなので今回はこの辺で一旦終わりに。
滞在日程の関係から訪問できなかった「ヒヴァ」や「フェルガナ地区でアトラス絣などを織られている方などにお会いしたい」「植物で染めている工房を見学したい」などやり残したことが多々ありますが、同行の方々や日本語ガイドのMLKさんのおかげて楽しい旅となったことを報告してレポートを終わりにいたします。